ふたえのそのの人物にまつわるお話集です


ベルヌの帽子

ベルヌの帽子の羽には、香りを留めておく力があります。
いい香りの花があれば まず、胸いっぱいに吸い込みます。
それからフーッと羽に吹きかければ、半年くらい その花の香りが薫ります。
そうしてベルヌは、お気に入りの香りを帽子にまとわせて 楽しんでいます。
また、香りを消したいときは、反対に羽の香りを吸って、フーッとどこかへ吐けば、香りはキレイにとんでいきます。

一度きつすぎる花の匂いを付け、気になって寝られなくなったことがある。
その時は消し方が分からず、朝になってから帽子をくれた◯◯◯に慌てて聞きに行った。

ナギとオリ

ナギは動物使いの少年、けれどまだ上手く 動物たちと心が合わせられない。
リスは1番の友達、運玉の森で動物と仲良くしているクレープ屋さんのオリと出会う。
動物たちとどうしたら上手く心を接することができるのか?しばらくオリと一緒に暮らす。。。

浄化の天使 セージ

セージは、なんと言うか 不思議な力を持っています。
ある時、セージが折れて死んでしまった大木に手をかざし、「ご苦労さん、君は今まで、よく頑張ったね、ありがとう。。。」と言いうと、その木は 柔らかな光に包まれていきました。
しばらくすると、その木はホロホロと崩れ始め、ふかふかの土になり、大地へと還って行くのでした。
セージは 大地の力を活性化させるのでしょうか?木々や草花が土に戻るスピードを
早めることが出来るようです。また、動物に対しても同じように力が働くようです。
土に戻ったら、セージの役目はそこまで。後は ほおっておくか、誰かが何かを植えるまで自然のままの状態です。
そんな訳で、彼の通った所は いち早く、新しい命の育つ土壌が整うのでした。
結構素敵な力を持っているのですが、恥ずかしがり屋な彼は、人前でそれを行うことはないのでした。。。

マツリカと少年

マツリカは風の精霊です。風に乗り何処へとなく流れていきます。
彼は自然の声を聴くことができます。またその声を人に届けることもできます。

ある時マツリカはある丘で、少年に出会いました(少年にはマツリカのことは見えていませんが)。
海の見える その丘は、向かい風をおこし 草木を煽り揺らしていました…
どうやら 浮かない顔をした少年に、何かを伝えたいようでした…

ザワザワ…マツリカはその風の音に耳を傾けます…
「ねえ君、辛いこともあるよね、大変だよね」そう言っているようでした。
それから少し経つと、今度は風が鎮まり、空から光がこぼれ始めました。
「そんなこともあるけど、見てごらん、綺麗な景色を。風が止む日もくるもんさ。君の好きなこと、やってごらん、続けてごらん」
そう聴こえたマツリカは、それらの想いを、風に乗せて少年の心に届けました。
…すると、なんだか少し、少年の顔が明るくなったような気がしました。
心のモヤモヤが 晴れたのでしょうか?しばらくすると少年は、力強い足取りで帰って行きました。
その時は、丘も海も キラキラと嬉しそうに笑っていました。。。

ポーロと花咲の笛

ポーロ 花咲の精(普通の人には見えない)、持ち物 花咲の笛
ポーロは不思議な笛を持っています。
その笛の音には、植物の花を咲かせる能力があります。
今年もポーロ大好きな宝城のお茶畑にやってきました。
この季節 普通はお茶の花が咲くことはないのですが、花の大好きなポーロは
ここを辺り一面の花畑に変えようと、花咲の笛を吹くのでした。

すると ニョキニョキ、芽が伸び 膨らんで、あちらこちらで かわいい お茶の花が咲き始めるのでした。
それを見たお茶畑のおじさんはビックリ!
「わっ!なんんでこんな時期に花が咲くんだ〜。困ったな〜、これじゃー 美味しいお茶にならないぞー!」
ワッセワッセと慌ててお花を摘んでいきます。
けれども、お花の好きなポーロは 知らん顔、気にせず 笛を吹き続けます。
そんなこんなで、しばらくは ポーロとおじさんの イタチごっこが続くのでした。。。

癒しの精霊 シュナン

シュナンはその頃、天使の仕事に疲れ切っていました。
全てを捧げ、誰かに道を 示すこと。
「もうダメだー。僕にはどうしたら良いか、分からないよ。
本当は そんな大層な事、向いてやしないんだ…」
そしてある時、とうとう天使をやめる事に決めました。
「この翼は、もういらないなぁ、さぁ 大地に還ってお行き…
シュナンは、背中の翼を取り、バラバラにして風へ乗せました。
もう寝ちゃおう、グーグーグー…
久しぶりの睡眠に、シュナンは夢を見ました。
自分の体が、捨てた羽の一枚になり、ふわふわと空を漂っていきます。
そして荒れた大地に舞い降りると、今度は体が水になり、スーッと地面に吸い込まれて行くのでした。

土の中、そこには土の精たちの世界。土の精たちは、水になったシュナンを見つけると
「あっ、久しぶりのお水だ〜!美味しいな〜!僕らも水がなければ、やって行けないよ。ゴクゴク…」
そう言ってたいそう喜びました。それから一休みすると
「ふう、元気が出てきた。さあ、これで この土地にも花を咲かせられる。」
と 土の精たちはスコップを持ち、辺りに何かを植え始めました。
そこでシュナンは、爽やかな香りに目を覚まします。すると…
さっきまでいた岩場の周りには、一面のカモミール畑が広がっているのでした。
なんだか シュナンは、大地が自分を優しく包み、癒してくれているような気がして、その不思議な出来事に、涙が溢れるのでした。

この先どうしようかなぁ?
シュナンは寝転び 空を見ながら 、考えていました。
しばらくは、ただの精霊として生きていこう。
この時は気付いていません でしたが、シュナンの体には 大地や動植物を癒す力が 宿っていたのでした…。


ムツミとスイ

ムツミが持っているのは夢見の森の 夢の卵
何が生まれるかは ムツミも知らない。
ムツミがジャンヌから預かったもの、ジャンヌも何が生まれるかは知らない。
ベルヌは夢見の樹の番をしている。
夢の卵は夢見の森が見る夢と 預かったひとの夢を食べて育つ。

ムツミと一緒にいる小さな竜(名前はスイ)は友達。
翡翠海岸で生まれた竜、翡翠色の鱗。竜は生まれた所で色が変わる。土地の影響を受けやすい。

ムツミは竜の人、竜と人の合いの子。幼さい子ども、優しい心。
水と一緒に空を飛び回るのが好き。水遊びも大好き。
温泉も好きだけどスイは熱いのが苦手なので、その間スイは1人でどこかへ行っている。